風邪で点滴に(生理食塩水)加える抗生剤、電解質の物質って主にどんな薬でどんな薬効がありますか?
風邪で点滴するのは、発熱や食事がとれないための脱水を改善する目的です。人間の血管内に注入してもよいように無菌で、浸透圧や電解質(ナトリウム、カリウム、クロール、マグネシウム)などが調節してあります。
その他、おまけに胃薬や吐き気止め、ビタミン剤など追加する場合もあります。
人間の細胞外と細胞内の組成にまねて造ってありますが、脱水の改善には細胞外の組成にまねて造ってある点滴を選ぶことが多いです。
ラクテック、ポタコール、ヴィーンF、フィジオ140といったものなどです。
抗生剤は細菌を殺したり、増殖を抑えたりするもので普通の風邪には必要ではありません。肺炎や扁桃炎など細菌感染が疑われる場合に投与します。明らかに感染を疑っているわけではないが、予防的に投与したり、感染があっても軽いだろうという場合には一般的な細菌に効果がある抗生剤を使用することが多いです。
セファメジン、ユナシン、パンスポリンなど
生理食塩水には栄養や薬効はありません。主に食欲不振や発熱による脱水症状をしないためとかに使います。また、抗生剤は菌やウイルスに感染していると思われる場合にしようします。電解質も血中のバランスが崩れないために使用します。
点滴の内容としては、“ベース”となるブドウ糖や生理食塩水に抗生物質を加えたケースが最も多いのですが、時には、①解熱・消炎・鎮痛剤、②抗ウィルス薬、③(極端な場合には)ステロイドを添加している場合もあるようです。
これらの薬剤に関しては、各々、①急激な血圧低下、意識消失、呼吸困難などが出現する “アナフィラキシーショック(点滴中あるいは点滴直後に起きる激しいアレルギー反応の一種)”が起きる可能性がある、②ウィルス性肝炎(B型、C型)、帯状疱疹・ヘルペス、エイズなどに対する西洋医学で用いられる抗ウィルス薬とは異なり、“その薬剤の組成ならびに効果・安全性が世界的に認められているとは必ずしも言いがたい注射薬の漢方薬)が使用されている、③肺炎の一種である“間質性肺炎”の一部や中等度以上の“気管支喘息”などでは時に有効ですが、 “(単なる風邪ではなくて)結核であった場合”などではむしろ“禁忌(投与禁止)”であるなどの理由で“第一選択の治療薬”として推奨されるべきものではないと考えます。従いまして、経過等から、上記疾患が少しでも、疑われる場合には、必要な検査(血液検査、胸部CT、喀痰培養検査など)をしてから治療を受けるのが望ましいと思います。
“ベース”となるブドウ糖や生理食塩水に関しては、経口摂取もままならず、“身体の水分が絶対的に不足した状態(脱水)”であれば、体内の水分を補う“補液”としての意味はあるかと思います。しかし、実際には、①食欲も十分に有り、飲水も十分に可能である。②頻回の嘔吐や下痢も無い。③発熱が比較的軽度である(一般的には37℃台)、④舌の乾燥、皮膚の緊張度の低下、頻脈などの“典型的な脱水症状”を認めない場合でも、漫然と(時には10日~2週間)投与されていることもあるようです。
“耐性菌”としては、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)が最も有名ですが、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)、ペニシリン耐性肺炎球菌 (PRSP)、β-ラクタマーゼ非産生アンピシリン耐性インフルエンザ菌(BLNAR)、メチシリン耐性表皮ブドウ球菌(MRSE)といった耐性菌も、医療関係者の間では良く知られるようになってきています。“耐性菌”そのものは、“食中毒を起こすような他の細菌”(コレラ、赤痢菌など)や時として集団感染を引き起こす“結核菌”などと比べると、決して“病原性が高い”ものではありません。しかし、乳幼児、高齢者、免疫機能低下患者(エイズなど)、腎透析患者、糖尿病患者、ステロイド服用患者(関節リウマチや気管支喘息の患者など)の場合(compromised host)には重篤な感染症、つまり、肺炎や敗血症(血液中で細菌が増殖する状態)などを引き起こす場合がありますので注意が必要です(これを“日和見感染”と呼びます)。
耐性菌に関する調査結果によると、“黄色ブドウ球菌”や“表皮ブドウ球菌”の半数以上がMRSAであると言われています。最近では“肺炎”の主要な起炎菌である“肺炎球菌”や“インフルエンザ菌”(インフルエンザウィルスとは異なります)においてもPRSP、BLNARなどの耐性菌が徐々に増加してきています。
日本感染症学会と日本化学療法学会の作成した「抗菌薬使用の手引き」には、抗菌薬利用の際には三つの観点が必要であると書かれています。
1.患者を治す-個人防衛
2.耐性菌を増やさない-集団防衛
3.医療資源の有効活用-社会的防衛
米国での研究によると、“抗菌薬を処方する”よりも、“抗菌薬が無効であること”などを丁寧に説明をした方が患者様の満足度が高いようです。患者様に“正確な情報を与える”ことも医師の重要な役割の一つではないかと思います。
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